* ⑮ *

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俺が、井上さんと村上くんを見送って戻ると、小島が彼女を送るとか、一人で帰るとか、そんな問答をしているトコだった。 「…家、ドコ?」 俺が尋ねると、彼女はゴニョゴニョと数駅先の地名を言いながら、うつむいた。 「え~!結構遠いじゃん」 小島が驚いた声を出すと、 「大丈夫です。なんとかなりますから」 と、彼女は言ったけど、終電の時間は過ぎていたし、タクシーで帰るにも、結構な距離だ。 二次会にも無理に連れて行かれて、終電を逃すまで何も言えずに付き合う彼女を、やっぱり変わらないな…なんて、思ってしまう。 .
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