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だけど、もちろん服はそのままだし、隣には、誰もいなかった。 服のシワを伸ばして、そっと寝室から出ると、先輩はもう起きていて、コーヒーを飲んでいるところだった。 「おはようございます」 静かにそう言うと、先輩は、 「おはよう」 と、爽やかな笑顔で答えた。 「…あの、すいませんでした。泊めていただいて、ベッドまで借りて…」 「よく眠れた?」 と、聞かれて、 「えっと、運んで…下さったんですか?」 と、尋ねると、 「うん。まあ、あんな風にされちゃ、ね?」 .
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