137人が本棚に入れています
本棚に追加
先輩は、クスッと笑ったように見えたけど、すぐにコーヒーを持って戻ってきた。
―――先輩、あたしのこと、ちゃんと覚えててくれてるんだ。
「ごめん、うちコーヒーのミルクなくてさ、ちょっと牛乳入れてきちゃった。
はい。今度は準備しておくよ」
と、カップをあたしに差し出した。
―――今度は…って。
まるで、あの頃に戻ったように、自然に次の話をする先輩に、鼓動が必要以上に動き出していく。
「…せんぱいって、お料理とかもするんですか?」
何か、話さなきゃ…と、質問を投げかける。
「あ~まあ独り暮らし長いからね、大学の時からだから…。
それなりに、適当にはやってるかな?」
.
最初のコメントを投稿しよう!