もう一度好きと言って

* ⑰ *

｢怒ってるとか、そんなんじゃなくて…。
あたしたち…｣

｢怒ってないの？なんだ、良かった。
この前は、俺も会社の娘に付き合わされちゃってさ～。｣

あたしの言葉をさえぎるように、彼が話し出す。

彼と、自分の間の明らかな温度差を、彼だって気づいているはずなのに。

｢あたしたち！
もう、無理だと思う。終わりにしよう｣

彼が更に何か言おうとしているのを、少し大きめの声で止めて、ハッキリと告げた。

彼は、小さくフッと笑って、

｢やっぱり怒ってるじゃん。どうしたら機嫌直る？｣

と、聞いてきた。

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