* ⑱―2 *

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玄関に向かうと、さっき玄関から出て行ったはずの彼女が、入り口の自販機の脇の椅子に座っていた。 さすがの俺も、素通りする訳にはいかず、 「あれ?どうした?」 と、声をかける。 彼女は、一瞬俺を見て、また無理矢理笑うと、 「何でもないです」 と、立ち上がり自販機に金を入れてから、ボタンを押す先を考えている。 「具合、悪い?」 「いえ、大丈夫です」 頑なに俺を拒否しているように見えて、俺もそれ以上踏み込めず、 「じゃ、お先」 と、外へ出た。 .
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