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玄関に向かうと、さっき玄関から出て行ったはずの彼女が、入り口の自販機の脇の椅子に座っていた。
さすがの俺も、素通りする訳にはいかず、
「あれ?どうした?」
と、声をかける。
彼女は、一瞬俺を見て、また無理矢理笑うと、
「何でもないです」
と、立ち上がり自販機に金を入れてから、ボタンを押す先を考えている。
「具合、悪い?」
「いえ、大丈夫です」
頑なに俺を拒否しているように見えて、俺もそれ以上踏み込めず、
「じゃ、お先」
と、外へ出た。
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