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初めて行く図書室は、意外に静かで、人も多くないし、快適な感じだった。
図書室に来ておきながら、勉強に対する気持ちが全く乗らない俺は、窓際の席からボンヤリ外を眺め、サッカー部のヤツらを見たり、
いや、違う、俺は勉強だ。と、急に我に返ったように参考書を開いたり…しているうちに、いつのまにか、眠ってしまっていたようだ。
「すいません。もう閉める時間なんですけど」
そう言われて起こされて、やべぇと思ってその子に謝って帰った。
その子が、誰かなんて、全然知らなかったけど、図書室の居心地の良さを気に入った俺は、また図書室に行って、カウンターにその子を見つけた時、
なんだかちょっとだけ嬉しいような気持ちがして、
「俺寝ちゃってたら起こして」
そう言っていた。
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