* ⑨ *

3/8
前へ
/211ページ
次へ
年明けに、初詣に行こうと愛実を誘った。 初詣なんて、そんな改まって行った事なかったけど、あたしが高校受験の時、親が買ってくれたお守りを買いたくなったからだ。 もちろん、先輩に渡すあてはないけど、何かしないと落ち着かないというか、そんな気持ちだった。 愛実が、相変わらず好きな人の事を嬉しそうに話すから、あたしもちょっとだけ終業式の日の事を話すと、またあたしより興奮して、 「てゆうか、いいなぁ。あたし、二人でどこかに出かけた事なんかないよ」 って、言ったけど、あたしからしたら、毎日のように会えたり、好きな人にいつもと変わらない調子で話が出来る愛実の方が羨ましかった。 .
/211ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加