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結局、お守りは先輩に渡す事が出来ないまま、先輩の試験の日はやってきて、あたしは、一日中そのお守りをポケットに入れて祈っていた。
そしたら、その日の夕方、お守りじゃない方のポケットが振るえて、それが待ちに待った先輩からの電話で、しばらく画面を見つめてしまった。
「―――はい」
やっと出した声は、先輩に届いていたのか、分からないくらいの声で、
「もしもし?あの、ミキちゃん?」
受話器の向こうから、先輩の声が聞こえて、あたしはやっぱり涙ぐんでしまった。
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