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あたしは、その日ずっとポケットに入れていたお守りを出すと、先輩に差し出した。
「これ、あたしが、ずっと念じておきましたから」
先輩は、あたしからお守りを受け取ると、少し吹き出して、
「念じて…って。
ありがとう。コレ、もらっていいの?」
「はい。もちろんです」
「やっぱ、今日ミキちゃんに会って良かったわ。誰かに、なんか聞いて欲しかったんだよね」
あたしは、その誰かとして思い出してもらえた事。
遅くなっちゃったかもしれないけど、お守りを渡せた事。
それでもう、胸がいっぱいだった。
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