* ⑨ *

7/8
前へ
/211ページ
次へ
あたしは、その日ずっとポケットに入れていたお守りを出すと、先輩に差し出した。 「これ、あたしが、ずっと念じておきましたから」 先輩は、あたしからお守りを受け取ると、少し吹き出して、 「念じて…って。 ありがとう。コレ、もらっていいの?」 「はい。もちろんです」 「やっぱ、今日ミキちゃんに会って良かったわ。誰かに、なんか聞いて欲しかったんだよね」 あたしは、その誰かとして思い出してもらえた事。 遅くなっちゃったかもしれないけど、お守りを渡せた事。 それでもう、胸がいっぱいだった。 .
/211ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加