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それから、しばらく先輩と話をした。 と言っても、あたしはほとんど聞き役で、でも、先輩が話しているのを聞いているだけで、あたしの心は満たされていた。 暗くなってきて、そろそろ帰ろうと先輩が言って、あたしは足取りも重く、先輩の後ろをついていった。 駅まで行ったら、先輩とさよなら。 あたしには、今、先輩に『スキ』っていう勇気も、また先輩が連絡をくれる自信もない。 どうしようもない自分に泣きそうだ。 そんなあたしに先輩は、 「試験、合格してたら 連絡する」 と言った。 .
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