137人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくして、図書室の扉が遠慮がちに静かに開いた。
ふと視線を向けると、入ってきたのは高木先輩だった。
あまりの驚きに、あたしの目は釘付けになり、まばたきをしたら夢のように消えてしまうみたいな気がして、先輩を見つめていた。
先輩は、あたしに以前のように片手を上げて挨拶すると、いつもの席に向かった。
そしてすぐに机に伏せてしまった。
―――え?
なんだか分からない気持ちで、そのまま図書室を閉める時間がきた。
図書委員の先輩が、
「日誌書くから、美木さんは見回りと、あの人起こして。
鍵閉めとくから、そのまま帰っていいよ」
と、言ってくれる。
.
最初のコメントを投稿しよう!