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「うわちゃ~。よく我慢してたね~」
マリーが大袈裟にリアクションをとる。
「普通なら痛みで動けなくなるよ?」
そんなものだろうか。もっと劣悪な環境にいたからよく分からないや。
「それでお風呂入ったんでしょ?化膿してないってことは彼処に入った?」
「無理やりな」
「?……あぁ。鉢合わせたんだ」
……しまった。
「どう?あの子の体」
ど突いてやりたい。
マリーの趣味のひとつに、他人弄りがある。
今は僕が弄られてるという訳だ。
「どうって……てか一回見てるし、今更変わらないよ」
「襲ったり、しないの?」
「まだ折葉も世間一般では高校生だし、子どもが産まれたら大変だろ?」
ちなみにこうやって会話してる間もマリーは腕を動かしている。感覚がないのは麻酔を打たれたからだろうか。
「慎也くんって、考え方古いんだね~」
さらっと酷いことを……
「折葉も仕事とかあるし」
仕事というのはもちろん僕らがやってるこの“お手伝い”のことだ。
「そだねぇ。今動けなくなるのはキツいだろうなぁ。折葉ちゃんは重要な戦力だし」
「あまり気は進まないけどね」
「いや、折葉ちゃんの方が明らかに強いじゃん」
「……認めたくないけどね」
実際折葉の方が格段に強い。そもそも能力が能力だ。
「まあそれでも、折葉はなるべく危険な仕事には行ってほしくないな」
「溺愛だね~」
さも面白そうに笑いながら言うマリー。
「はい。皮膚を貼り替えたから、違和感あったらすぐに言ってよ」
いつのまに皮膚を貼り替えてたんだよ……
「ありがとう」
ほんと、マリーの言動は意味不明なことが多い。
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