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『…ぁー…しんちゃんだぁー…』
『はいはい、そうですよー。
起きれますか?無理ですか?』
二日酔い野郎に付き合う時間はないのです、
と言わんばかりに、冷淡な言葉を浴びせられる。
よく見ると、彼はすでにテニスウェアに着替えていて、今すぐにでもコートでレッスンを始められそうだ。
『(…やば…合宿って寝坊厳禁だよな…)』
彼の服装を見て、改めて危機感を覚え、身体を起こそうとするが、
目が回る。
吐き気がする。
頭痛い。
『……ぅー……むりー……』
寝起きの顔を見られないようにと、
抱きしめていた枕に顔をうずめ、今更な抵抗をしつつ、くぐもった声で返事をする。
すると、
『はぁ』と、わざとらしい溜め息が降ってきて、
私の顔のすぐ横に、しんちゃんが腰を下ろす気配がした。
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