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『(そういえば昨晩、しんちゃんと飲んでたっけ…)』
昼のテニスより、夜の飲み会の方が過酷なこのサークル合宿では、
夜が深まると、飲み方が似ている者同士集まり、宴を始める。
昨夜のおぼろげな記憶の中に
『あー、メイコじゃん。
ここ、おいでー?』
と、自分の隣のスペースの畳をパンパンと叩く、
とろんとしたしんちゃんの姿を思い出した。
『…しんちゃんは…二日酔いじゃないの…?』
飲むペースこそゆっくりだが、
「酒好き・酒豪」の括りに入るその宴では、深酒をするのに十分な量のアルコールが揃っていたはずだ。
当然、かなり遅くまで飲んでいた気がする。
『当たり前でしょう。
メイコさんと違って、チームリーダーは寝転がっていられないのですよ。』
『…ごめんなさーい…』
謝罪以外の言葉が出てこない自分が情けない。
と、同時に、チームリーダーである彼を、これ以上引き留めるのは良くないと気付き、
再び枕を顔面に押しつけて、呟いた。
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