2011.8.7.02:58

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そこへ、艦長以下副長を兼務する船務長、航海長、佐官以上の隊員がCICに入ってきた さらに砲雷科の隊員達が艦長達に続いてCICに入って、それぞれの持ち場に着く 「砲雷長、何があった?」 《みょうこう》艦長の島田一等海佐が落ち着いた様子で坂田に問いかけた 「はっ、《あたご》が朝鮮半島より本州へ向けて飛行する、未確認の飛翔物体を捕捉、本艦も確認しました。アンノンのデータから目標は【ムスダン】と判断しました。」 「群司令部より入電!」 先程の通信員が再び声を張り上げる 島田艦長が読めと命ずる 「読み上げます。『《あたご》《みょうこう》は、朝鮮半島から飛行する飛翔物体を撃墜せよ。』以上です」 “撃墜”‥‥ その意味する所は大きい 破壊措置命令とは言え、日本本土に落下しない限り、破壊措置が実行に移される事はない 日本国内に落下しないのであれば、北朝鮮の弾道ミサイルの能力を把握するため、情報収集も兼ねて監視に終始する しかし群司令部の命令は“撃墜”の二文字 それは、弾道ミサイルが日本に落下する公算が大と、司令部が判断したという事だ 一気に、CIC内の緊張が高まる
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