2011.8.7.02:58

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「‥2、1、マークインターセプト!」 沈黙がCICを襲った‥‥ 誰もが口をつぐんで話さない 微動だにしないまま、坂田は報告を待った 「‥‥ダメだ」 唐突に梅木一曹が呟き、やおら振り向いて大声で怒鳴った 「TrackNumber1425の反応あり!迎撃に失敗‥‥したかと」 坂田は血の気が引いていくのを感じた “迎撃失敗”‥‥ その四文字があまりにも重く坂田にのしかかる 「各員、直ちに原因の詳細を調べよ」 島田の指示を受けて、CICは先程とうってかわって、蜂の巣をつついたかのように賑やかになる 砲術科のミサイル員は、前部VLS発射管三番より発射されたSM-3の最後の状況を把握に動き、通信員が関係各所と無電を交わす 「梅木一曹、他は迎撃に成功したんだな?」 島田が電測員の梅木一曹に問いかけた 「はい、TrackNumber1420~1424の反応は消えています」 「そうか‥‥」 六発中五発の迎撃に成功‥‥ 通常であれば、上出来とも言える 自衛隊の練度は、世界最高とも呼ばれている 自衛隊に常に求められるのは、百点満点だからだ しかし、逆に言えば完璧でなければ、認められないとも言えるのだ 「TrackNumber1425、あと58秒で小松基地に到達します!」 梅木一曹が計測されたデータを読み上げた 手空きの者はメインモニターに注目する ムスダンを示す光点は、能登半島の付け根に存在する小松基地へ、着々と近づいていく
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