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肩が焼けるように熱く、突き刺さる刀身はおれの血で紅く染まっている。
痛いとかいう問題じゃない。
息が出来ないほどの圧迫感。
身体中が震える。特に足が。
立っていられなくて、膝から崩れ落ちた。
「政宗ッッ!!」
血の気の引いた顔した小十郎が支えてくれた。
視界が霞む。
意識が遠退く。
やべぇ、オレ…死ぬかな。
でも小十郎を守れた。
咄嗟に飛び込んじまったけど。
…充分だ。
ぷつん、と意識が切れた。
そしてまた、ぷつんと切れた。
小十郎の理性が。
普段は抑える凶暴な感情が。
政宗をゆっくり寝かせた後、小十郎の中で何かが変わった。
目から光が消える。
殺気だけで体を動かす。
殺気を、狂気を鎧に。
重い一歩が踏み出された。
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