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その瞬間、空気が変わった。
痛い程の殺気。
「小十郎様を呼んで来い。」
リーゼント野郎が静かに言った。
だが誰も動かない。
しんと静まる空気に、嫌な汗が流れた。
この時小十郎は、呼んで来いと言われた奴の名が自分と同じ名だと気付かなかった。
其れほどまでに追い込まれていた。
「聞こえなかったのか!
小十郎様を読んで来いって言ってんだよ!!」
その叫び声に皆が我を取り戻し、数人がヒイィと悲鳴をあげながら何処かへ走り去って行った。
残った奴等が俺達を見る。
先程迄は疑いの目だけだった。
しかし今は、
全員から殺気を感じる。
今すぐにでも殺してやると。
こいつらは本気だ。
ヤバイと感じた小十郎は、政宗に表情で合図をした。
"逃げるぞ。全力で…走れ!"
二人は素早く立ち上がり、小十郎が障子を蹴破って部屋から脱出する。
そして走り出した。
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