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小十郎に引っ張られるまま走った。
正直、逃げ切れるか不安だ。
後ろから叫び声が聞こえる。
捕まったら、きっと…。
恐ろしくて体が震え始めた。
「政宗…?」
前を行く小十郎が振り返った。
手まで震えてんのか。
でも、不安だなんて言えない。
ネガティブになんてなってられない。
「何でもない……っ!」
体の震えが止まった。
その代わり、汗が吹き出した。
冷や汗が。
こちらを向く小十郎の後ろに、殺気を放つ兵が大量に待ち構えている。
刀を降り下ろすその瞬間を見てしまった。
「小十郎ォォ!前だッッ!!」
振り向いた瞬間、鮮血が散った。
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