プロローグ

2/8
131人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
?「ぅ……ここは…」 酷い頭痛と、身体中の傷みで目覚めた俺は、まだ覚醒していない頭で今の状況を確認していた ひとまず、この場所は見てわかる通り、木々が空を、そして大地さえも覆い隠す森であることはわかる 次に自分について 名前は覚えている 雨宮青空<アメミヤ.アオゾラ> それが俺の名前だ 知り合いからは、『アオ』と呼ばれている あとはわからない なぜこんな場所にいるのか ここがどういった場所なのか 俺は一体何をしていたのか 何も覚えていない ひとつ気がかりなのは、なぜ俺はこんなにも酷い頭痛と体の傷みを受けているのだろうか まさか、空から落下したのか? いや、それはないはずだ 俺は飛行機や空を飛ぶ物が苦手だ 空から落下したというのはまずないだろう それにしても… アオ「玲は近くにいないみたいだな…」 玲とは、俺の大切な親友にして、家が隣の幼馴染み 十中八九、いや、誰もがイケメンだと言うほどの美形で、通称『歩くフラグ建築士』 それだけじゃなく、運動もでき、頭も良く、性格なんてそれはもう良いなんて言葉じゃ足りないくらいだ そんな奴と幼馴染みで親友 きっと素敵な毎日を過ごしてると誰もが思うだろう でも、そんなことはない 毎日毎日、女子からの僻み、悪口、仲介役のお願い 男子からはなぜか敵視され、友達はできず 俺に告白してくれた女の子も、みんな俺のことを玲と仲良くなるための踏み台としか見ていない 本気で俺を好きになってくれた女の子なんて、一人もいない 下駄箱や家に手紙が入ってたとしても、それは玲の下駄箱に入りきらないからだ つまり、良いことなんてひとつもないのだ .
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!