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ピピピピピーーッ
ガチャン!!
目覚まし時計のけたたましい音と、その目覚まし時計を叩く音が重なる。ぐらぐらと揺れる時計は、しかし倒れることなく時を刻んでいる。だがそんな時計の盤面を見ると俺が設定した時間よりも20分ほど早かった。なんだもう20分寝れるじゃないか、そう思いながら寝ぼけ眼を擦ると、
「あれ……?」
泣いていた。ボロボロと涙を流しながら。眠っている間にも泣いていたのだろうか枕を見るとかなり大きい染みができていた。おそらく涙でできたと思うが、この染みが涎でできたものとは思いたくなかった。それにしても、なにか懐かしい夢を見ていた気がするが。そんなことを考えていると部屋のドアが勢いよく開いた。
「お兄ちゃん!!もう7時だよ。今日テストなんだから早く起きなきゃ!!」
「いや、正確には7時11分49秒だ」
「もうっ!!二度寝しても知らないよ!!起こしたから、わたしちゃんと起こしたからね!?」
来たときと同じように音を立ててドアを閉める我が妹。俺の部屋のドアも毎朝叩きつけられていると、壊れないかいささか心配になってくる。
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