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      ホントに罪な人と言うのは彼の事だ。   「ゆうとがカッコいいのは勿論だけどスタイリストも凄いよな。俺この人知ってる」 大ちゃんは雑誌の隅に表記されている普通の人なら興味の示さない協力者の名前の所を指さした。確かに知ってる。って言っても俺らが特殊なんだろうな。勿論、カメラマンの名前も知ってるし着ているブランドも解る。長身な彼のような男性の為につくられたみたいなブランドで、平均も無い俺みたいな人にはケンカを売っているようなだ。それは少し(いや結構)被害妄想かもしれないけど。 「俺やっぱスタイリストになろっかな」 「ゆうとに近付きたいとか?」 「あったり」 得意のニカッとした笑顔を見せる大ちゃん。その辺に居る女子中高生が冗談言う(本人たちは本気かもしれないけど俺からしたら冗談程度にしか聞こえない)ような事を本気で言って、それを実現させてしまいそうな所が大ちゃんの怖い所だ。たまに無茶苦茶な部分もあるけど好きな事には一途な大ちゃんだから。ホントに何年後かにはこうやって雑誌の隅で大ちゃんの名前を見る事になりそうだ。 「スタイリストって大変らしいよー」 適当に知りもしない事を言う俺に大ちゃんは持っていた雑誌を閉じて同じ雑誌を下の方から引っ張り出した。大ちゃん曰く、一番上の雑誌は色々な人が触っているから買いたくないらしい。だから大ちゃんはいつも雑誌やマンガを買う時は下の方から指が切れそうなくらいのやつを出して買う。なんとなくその心理は解る。同じ事はしないけど。ページが折れてたりしなければ。 「涼介は」  
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