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      「シャワー浴びたら?何か作ろうか?お腹空いてない?眠くない?」 「大丈夫。大丈夫…」 ソファーに座った裕翔に腕を引かれ裕翔の足の間に向かい合って座る。 ウェットティッシュで残りのファンデーションを落とすと、裕翔は俺の手からウェットティッシュを奪って近くにあったごみ箱に捨てた。 「ありがと」 「肌大切にしろよな。ボロボロになったらどうすんだよ」 「ゴメンゴメン。商売道具だもんね」 皮肉な言い方。裕翔が仕事の事をこんな風に言う時は決まって疲れている時だ。きっとあまり寝ていないんだろう。 少しでもいいから寝たらいいのに…。 「寝るよりも涼介とこうしてた方がいい…」 「うぅ…//」 身動きとれない程に抱き締められ、仕方無く大人しく抱き締められたまま。 どうせ抵抗したって敵わない。いやでも今なら裕翔疲れてるから勝てるかも? 「大貴君は?今日は居ないの?」 「うん。家族で旅行」 「旅行か…。またタイミングがずれたみたいだね。そろそろ僕も大貴君に挨拶したいのに」 裕翔は呑気に笑いながら俺の髪を撫でた。 長くて細い指が最近切ったばかりの髪を掬う。この指は先週公開された映画で、今流行りのアイドルの頬を撫でていた。 ホントはあんな映画見たくなかったのに、必要以上に大ちゃんの誘いを断ると怪しまれるだろうから仕方無く見に行ったけど…こんな事考えてしまうくらいなら仮病でも使って見に行かなければよかった。 「だからぁ…。大ちゃんはお前のファンなんだよ。オタクなんだよ。そんな簡単に会ったら死ぬって」 「えぇ?そんなありえないよぉ。それに僕、テレビとか雑誌で見るのと実際に見るのとで対して変わらないって言われるし。雑誌とか見てくれてるなら大丈夫でしょ」 多分それって誉め言葉なんだろうけど裕翔がそう思ってないならそれでいいかな…。 それでも、大ちゃんと裕翔が会う日はまだまだ遠いけど。 「だぁーめ。裕翔は…俺んのだから。裕翔のプライベートは全部俺のもんだよ」 「何それ、可愛い」  
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