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「別にお風呂じゃなくても…」
「ん?」
「ううん、なんでもない」
その言葉を俺の同意ととった裕翔は小さく笑ってから俺の腕を掴んでた立ち上がった。
カシャンと小さく音を立てて床に裕翔のしていたベルトが落ちた。きっと帰って来てすぐに寝る直前に外したのだろう。
「お湯、溜めてないよ?」
「今やれば大丈夫でしょ。すぐ溜まるよ」
ティシャツを簡単に脱ぎ当たり前に洗濯籠に入れる裕翔。
なんか嬉しいな…。自分の家に持って帰って洗濯するんじゃなくて俺に任せてくれてるのが。しかも同棲してるみたいだし。
「………」
呆然とただ裕翔の体を見る。
引き締まった体。趣味(半分仕事)のドラムをやっているためについた腕の筋肉。なのに暑苦しさは無くて彼にあるのは爽やかさと色気。爽やかの中にある色気ってどうしてこうも健全というか、厭らしくないんだろう。
躊躇無く身に纏っている物を脱いで行く彼はホントに性欲なんて言葉を知っているのだろうか?それとももう何回も体を重ねている俺に裸なんてものは簡単に見せられるということなのか。気恥ずかしさを隠せない俺が馬鹿?セックスの時なんて裸以上に恥じるべき姿を彼に晒しているというのに。人間の心理は矛盾してる。
「…涼介?どうしたの?」
「あ、ううんっ」
先に脱いだ裕翔はハンドタオルを腰に巻いて浴場に入った。
俺も思い出したように服を脱いだ。
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