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      裕翔は小さく笑うとコンディショナーを手に取った。 俺と出会う前はリンスすらするかしないかくらいに髪、というか美容全般に興味が無かった裕翔が今では小まめ(恐らく週に三回くらい)にトリートメントするようになったっていうのが今でも驚きだ。 それも俺の影響だって思うと嬉しくもなる。っていうか俺だけじゃなくて環境のせいなのかな。裕翔がこんなにも綺麗に変わって行ったのは。 「じゃあさ、裕翔」 「ん?」 覚えてたんだ裕翔。俺が前に、リンスやコンディショナーは頭皮じゃなくて毛先だけにつけるって言ったの。 少し長い髪でもそれなりに短くて。髪につけたコンディショナーは簡単にシャワーに流された。 裕翔の背中に話し掛ければ、裕翔は聞き取りにくいのか小さく返事をした。 「寝室も片付けた方がいい?それともリビング中心に片付けようか?色はどうする?春っぽくパステルカラーのカーテンにでもする?それとも青とか黒とか?可愛いぬいぐるみとかでも置いていかにも一人暮らしじゃありませんアピールでもする?」 「僕は嬉しいけど、モデルのゆうとは潰れちゃいそうだね。まぁ涼介がそれでいいならいいけど?パステルカラーでもぬいぐるみでも」 前髪を掻き上げてから目を閉じたままキスをせがむ裕翔に軽いキスをした。 可愛いな…。裕翔がぬいぐるみみたいだ。それにこんな冗談、普通だったら解りにくい。でも、解っちゃう優越感を裕翔は余計にくれる。 「涼介。体洗って?」 「ふふっ。今日はやけに甘えただね。可愛い…。こっち来て」 「いいでしょたまにはー。僕だって甘えたい時があるのー」 ボティーソープをスポンジに含ませてから俺に渡し裕翔は俺に背中を向けた。 流したままのシャワーは遠慮無くお湯を出す。勿体無いとは思いながらもシャワーの音が無くなる事が嫌でそのままにした。きっと裕翔もそうだろう。  
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