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      「涼介ー?僕のTシャツはぁ?下着とズボンしかないよぉ?」 「お前…」 風呂から出て部屋に行ってみると、上半身裸のまま裕翔は部屋をうろうろしていた。 Tシャツがないって… 「Tシャツはこっちだって言ってるだろ?裕翔いつもグチャグチャにするから」 「あ、ホントだぁ!流石涼介!」 前から二番目にあったTシャツを取って裕翔に渡すと、裕翔はなんの抵抗もなくTシャツを着た。 この間は違うTシャツ着てたから今日は、先週着てたやつに…。同じTシャツをたまに着て、ファンの人に親近感持たせないと。同じTシャツを二回も着ないなんて"ゆうと"のイメージじゃないし。意外に庶民的なんだなって思わせるために。それで好感度上がるに決まってる。女の子は案外そういう細かい所までチェックしてるからな。 「…涼介?」 でもメイキング用のカメラまわされてなかったらあんまり意味無いなぁ。でも、ハワイに行く時には絶対にカメラあるだろうし。やっぱりこのTシャツはハワイの時に…でもハワイに行くならもう少しだけ派手なのでもいい気がする。けど垢抜け過ぎると狙い過ぎてて嫌だな…。 「涼介聞いてる?」 「あっ、ゴメン。何?」 「何じゃないよーもう。ちゃんと僕の事考えてたの?違う事考えてたら僕怒るよ?」 頬に空気を入れてわざとらしく言った裕翔に、胸がキューっと締め付けられる。 一々可愛過ぎて嫌。 裕翔と居る時に、裕翔以外の事なんて考える暇なんて無いのに。 「大丈夫だよ。それより髪、ちゃんと乾かして。髪痛むよ」 「へへっ。じゃあ涼介がやって」  
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