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俺の腕に抱き付き強請る裕翔にまたドキドキする。俺ってかなり単純だな…。キャバクラとか行って裕翔に似てる子(そんな美人な子がキャバクラに居る意味が解んないけど)が居てちょっと甘えられたら大金貢ぐな。なんて、キャバクラだなんて例えだったとしても裕翔に怒られそう。
「座ってて」
リビングのソファーに裕翔を座らせて、ドライヤーを取りに行った。
一時間なんて早い。授業の50分はやけに長く感じるっていうのに。おかしいな。
「涼介ここ」
ソファーに深く座り足を広げてあいた所を叩く裕翔。座れって事。解るけど緊張する。し、少し抵抗感。
なんかここまで露骨にイチャイチャってキャラじゃないな。大ちゃんが見たらこんな俺を笑うだろう。考えただけでもゾッとする。
「はーやーくぅー」
「うん…」
甘える裕翔に敵わなくて渋々座った。
ドライヤーのスイッチを入れて裕翔の前髪に風をあてる。裕翔は目を細めて俺の腰に手をまわした。
「そう言えば来月、連休貰えるんだぁ。やっとゆっくり出来るよ」
「じゃあ家帰るの?」
「ううん。なんか海外旅行行くみたいだから帰っても誰も居ないし。涼介と予定合うなら二人でのんびりしたいなぁって」
ドライヤー使ってるっていうのに、俺を抱き寄せる裕翔。仕方なくドライヤーの電源を切ると裕翔は満足そうに笑った。
狡い顔。こんな顔されたら俺は従うしかない。天然悪魔(またの名をピュアブラック)だ。
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