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      「裕翔に合わせるよ」 「よかった」 今度は可愛らしくふにゃりと笑うといきなり俺の首に顔を埋めた裕翔。 わけが解らなくて俺はただ抱き締められたまま。腕ごと抱き締められて抱き締め返せないし。 「裕翔…?」 「涼介…。ホントに涼介だ…」 「ふはっ、何言ってんの?てか、擽ったいから」 「少し涼介に会えなかったくらいで駄目だね僕…。涼介大好き過ぎて辛い…」 よくそんな恥ずかしい事スラスラ言えるなぁ。職業病ってやつかな。普通の奴だったらこんな当たり前のように言えないよな…。 「ずっとこうしてたいなぁ…」 「ふふっ。無理だろそんなの」 「冷たいなぁ。夢みせてくれてもいいじゃん」 ヘラヘラ笑いながら裕翔は顔を擦り付ける。大型犬みたいだな…。実家に飼ってるのは小型犬だけど。 「夢見せる仕事してるのは裕翔だろ?裕翔が俺に夢みさせてよ」 「その返しは狡い。 仕事とプライベートは区別したい派なんだよね」 「よく言うよ。この前俺と二人で出掛けてた時ファンに囲まれてちゃんと対応してたくせに」 「家の中は完全プライベートだから。涼介の事しか考えてないよ」 裕翔がモデルだったから。裕翔を好きになったんじゃない。でも、裕翔がモデルだから。モデルをやってる裕翔が好き。 それでも、普通に友だちに自慢とかして。一緒に買い物したり映画みたり。写真撮ったり写メ待ち受けにしたり。春は桜見て夏は海行って、秋は紅葉見て冬はスキーしたりして。そういうのにも憧れる。 家に二人きりも勿論楽しいし嬉しいけど…。 これって、俺の我儘なんだよね。 裕翔がプライベートと仕事を綺麗に区別していたとしても、ファンや仕事関係の人たちは違う。裕翔は"ゆうと"であって、裕翔だけど裕翔じゃない。だから…  
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