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他にも数冊雑誌を同じように手に取り大ちゃんは何故か俺を呼んだ。俺は雑誌片手に大ちゃんを見た。
「…なんか買うの?」
「…?買うけど、もう終わりなら先会計しててもいいよ?」
「じゃあ行ってるな」
レジに行った大ちゃんの背中を暫く見つめた。
大ちゃん、何か言いかけてたけど…別に本人に言う気がないならいいか。
「………」
大ちゃんが読んでいた端の潰れた雑誌を数秒だけ見てから、やっぱり隣にあった雑誌を買う事にした。別にこんな雑誌、買う意味も理由も無いし。みたいなら大ちゃんに見せてもらえばいいだけ。
そう言えばこの間大ちゃんの家行った時、リビングにも"ゆうと"のポスター貼ってあったな。確か大ちゃんのお母さんもファンなんだっけ?凄いな。ホントにファンが沢山居るんだ。当たり前か。こんだけ完璧なら。でもこの前バラエティに出てた時イラストは苦手だって言ってた。まぁ人並みに字も上手かったけど。嫌味に聞こえなかったのはきっとふわふわしたあの口調だからだろうな。地域の訛を感じない綺麗な言葉遣いだったから。
あんだけ完璧なら、悩みなんて無いんだろうな。強いて言うならストーカーされたりとかバレンタインにチョコ貰い過ぎるとかそんな感じなんだろうな。
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