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      リビングに白のL字のソファーを置こうと思ったのは、高3の時。高1からこの家に住み始めやっと家具にまで意識するようになったから。 別居している母さんに頼みに頼んで、クリスマスプレゼントとして買ってもらったのがこのソファー。気に入っているどころじゃすまないくらいに俺はこのソファーが大好きでもう死ぬまでこのソファーと一緒に生活するって決めたくらい。もしかしたら寝室にあるシングルのベッドよりも寝ているかもしれないソファーにネコのように丸くなり寝ている人物の名前を、俺はハッキリと外に聞こえてしまうんじゃないかってくらいのボリュームで呼んだ。 勿論この程度の事で起きる奴ではない事は知っている。3年も一緒居れば。 「何寝てんだよっ」 多分てか疲れてるから寝てるんだと思う。それくらい俺だって解る。昨日も深夜の生放送の歌番組に出てたの大ちゃんと見てたし。 俺が言いたかったのは寝ている理由じゃなくて、なんで俺の家のソファーで寝てるのかって事。だからと言ってベッドやお風呂で寝られても困るけど。 自分の家があるというのに。しかも、すぐ隣に。まぁエレベーターから近いのは俺の家だけど。そんな、後5歩も歩けないくらい疲れて…てもおかしくないか。 「はぁ…。せめてシャワー浴びてから寝ろよな…」 L字の短い方に上半身を乗せて上手く寝ている。ソファーの前に回り込み目の前に胡座をかいても起きる様子は少しも感じられない。逆にこんな事で起きるのなら俺が帰って来た時に起きてほしかった。  
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