第一章

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初めて疑いを持ったのは雑誌だった。 某アイドル誌を整理している時、こいつ老いねぇよなあと。 同時に、もしかして吸血鬼なんじゃねえのなんて考えてたっけ。 その疑いが確信に変わったのがついこの間。 いつも通りの朝、いつも通りの空気。 おはよー、といつも通りのテンションで入った楽屋。 でも、唯一違ったのが小山が手越の首筋に牙をたててた事。 びっくりした俺はその場に立ち尽くすことしか出来なかった。 「だからやめようって言ったのにー」 手越ののんきな声が楽屋に響く。 「…ま、まっすーは?」 真っ先にしたのはまっすーの心配だった。心配、というよりはまっすーがこの事実を知っているのかという疑問に近かったのかもしれない。 「まっすー?まっすーはそこにいるよ」 と指された先にはソファーに寝転んでいるまっすーが。 「…え、まっすーも知ってるって事?」 「知ってるも何も、まっすーも俺も慶ちゃんに提供してるからねぇ」 …さすがに何をと聞くほどバカではない。すべてが分かったわけではないけど、とりあえず小山が吸血鬼で、手越とまっすーは食事であると。 .
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