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でも2つ疑問が残った。
1つはなんで小山があんなに真っ青な顔でうつ向いているのか。
あと1つは…なんでこんなにも胸がもやもやするのか。
もやもやの正体も分からない。
「慶ちゃん、ちょっと」
と手招きしている手越を見て、もやもやはより一層胸で膨らんだ。
…なんだこれは。
自分で自分が分からなくなるなんて。
2人が楽屋から出ていった後、さらに増すもやもやに俺は半分苛立ちを覚えた。
その後は何もなかったかのように撮影が始まり、終わるとそれぞれの帰路についた。
…あのもやもやは一体なんだったのだろう。
…あの時、手越と小山はなんの話をしていたのだろう。
帰ってきて考えることはそればかりで。
ホントなんなの。自分じゃない。
ぐるぐる渦巻く思考を取っ払うように、鳴り響く携帯。
…こんな時間に誰だろう?
ディスプレイに表示された名前は“小山慶一郎”。
一瞬胸が高鳴った。…ホント俺じゃない。
「もしもし」
「あ、もしもし。しげ?俺。小山」
「うん知ってる。で、どうしたの?こんな時間に」
「いや…今日の事で…その…ごめんね?結果的にしげに黙ってる形になっちゃって」
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