第一章

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小山の思いやりというか優しさというか、それがなんだかくすぐったい。 さっきまであんなにぐるぐる悩んでたのに、言葉がけ1つでこんなにも楽になるなんて。 「…優しすぎんだよ、バーカ」 「なっ!バカじゃねぇよ!」 「言いたいこと、それだけ?」 「ん?あ、いや明後日俺ら2人の撮影でしょ?でも今日しげずっと上の空だったから、聞きそびれてないか心配で…」 「あぁ、それなら大丈夫だよ。私服で、ってやつでしょ?」 「うん、そうそう!」 少しばかりの沈黙。 その心地いい沈黙を破ったのは俺だった。ある気になっていることを聞くために… 「…あ、あのさ」 「ん?なに?」 「…食事ってさ、どのくらいの頻度なの?」 「んー…2日に1回くらいかな?どうして?」 「いや、なんとなく気になっただけ!じゃあ、俺もう寝るから切るな?」 「うん、おやすみー」 …って切ったはいいけど、胸が高鳴ってなかなか寝付けない。 今日はなんか自制のきかない、謎の感情に包まれることが多いな…。 なんで頻度が気になってたのかも分かんないし。 .
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