第一章

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ずっと下向いてぐるぐるしてたもんだから、急に小山が視界に入ってきてびっくりする。 「あ、ごめん!なんかどっか行ってた。で、なんだっけ?」 「大丈夫かよー。何の映画観に来たの?って聞いてたんだけど、予定変更!しげ、様子変だし俺も一緒に行くわ!」 「えぇっ!お前、映画好きだっけ?」 「違う違う。俺はしげが心配なの!いいじゃん、デートだと思えば!」 …うぅっ、やばいって、なんかときめいたっつーかなんつーか。 胸の高鳴り、おさえらんねぇ…絶対今顔真っ赤だ…見るなよ、小山…。 という願いもむなしく、見られましたよ、それはもうばっちり。 「ちょっ、しげ顔真っ赤!熱でもあるんじゃねぇの!?」 …よかった。小山がちょっと抜けてて。 でも熱はかるのにおでこコツンってされて、ホントに叫びそうになった。 我慢したけど。 「よかった。熱は無さそうで。でも、無理しちゃダメだよ?…やっぱり心配だしついてくよ俺!」 「別に構わねぇけど、俺の観たい映画でもいいわけ?」 「俺詳しくねぇからそこんとこはしげに任すわ」 「ん、了解」 それからは他愛もない話や、映画の話で盛り上がった。 .
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