異世界 (脇役side)

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「……どちら様ですか?」 辺りに狼の姿は無く、代わりに銀髪の青年が立っていた。 「ふふ……、人型の方が話しやすいと思ってな。」 青年(イケメン)は爽やかな笑顔を向けてくる。 どうやらさっきの狼らしい。 「えぇと……」 「あぁ、心配するな。 ここは我の家のような所だ。」 「いやいや、お前誰だよ。」 「だから…………はっ、もしや……我を知らんのか!?」 「だから、誰だよ!」 「コホン、失礼。 改めて自己紹介といこう。 我は フェンリル。 聞いたことくらいあるだろう?」 「あぁ…………ないです。」 「え?」 「え?」 …………………… いやだって、さっきこっち来たばっかだし……。 「あ、あのさ 実は俺…………」 …………………… 俺は異世界から来たことを告げた。 「ふむ、それは興味深いな。」 なぜか眼を輝かせているフェンリル。 別に期待されてもね…… 「そうだ、翔。 これは分かるか?」 彼が話し終えた瞬間、緑だった丘が一面真っ白になった。 「え!? どうなってんの? ……凍ってる!? まるで魔法だな。」 「ご名答。これは魔法さ。 知ってたのか?」 「あぁ、どういうものかは知ってるが……まさか本当に使えるとはな。」 「使えないのか?」 「いや、試したこともないな。」 「では、試してみよう。」 …………はっ?
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