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「おい、チャコは?」
そのとき浩太は、初めて茶和子がいないことに気がついて、キョロキョロと辺りを見回す。
「そういえば……」
健太郎と綾の胸にも不安が広がった。
綾と健太郎は同時に二階の方に目をやる。
「チャコ!」
浩太は大声で叫ぶと、二人の横をすり抜けて、そのまま二階へと駆け上がっていく。
「おい!」
遅れて健太郎と綾も後を追った。
何がどうなっているのか?
綾が二階に上がったとき、床に転がったチャコを抱きかかえて、浩太が号泣するところだった。
「チャコ!」
親友のチャコが冷たくなっている。
いったい何が起こっているのか?
ガクガクと綾の身体が振るえるのは、ずぶ濡れになった服から受ける寒さのせいだけではなかった。
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