岡波地区

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「家だ!」 下り始めてすぐに一軒の民家を見つけて松本が声を上げる。 四人はその家に向かって駆け出していた。 玄関まで走ってインターホンを探すが見当たらない。 仕方なくドアを叩いて呼んでみたけれど、中から返事はなかった。 「留守かな? じゃあ他の家に行ってみよう」 「はい」 四人は次の家を目指して歩き始める。 すぐに次の家があったけど、この家も留守だった。更にもう少し港に近づいたところにある家も留守。 次の家もやはり留守なのか誰も出てこないし、少し薄暗くなってきているのに、電気もついていない。 こうなると何だか急に不安になってくる。 何件も家があるのに誰もいないのだ。 夕方の五時半といえば、夕飯の支度で家にいる時間のはずである。 「おかしいのぉ……」 松本が呟きながらさらに港の方に向かって歩き始めた。 この辺りまで来ると、一番麓の港の辺りまで見える。 商店らしき建物の前まで来たとき、少し先に女の子が立っているのが見えた。
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