岡波地区

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ここから少しだけ上り坂が続く。 少し走ってゾンビ化した島民たちとの距離を稼いでから、三人は歩き始めた。 上りきって下りになったところで、さっき幽霊のいた家が見える。 その家の前に倒れている女性の姿に、三人は気がついて息を飲んだ。 美術館職員の平尾である。 ここからでは分からないが、動かないからやはり死んでいるのではないだろうか? そう思いながら近づいていく。 すぐ横まで来て浩太はしゃがんで平尾に触れた。 冷たい。 やはり平尾は死んでいた。 さっき幽霊に驚いて、我先にと逃げてしまったから、結果として平尾を見殺しにしたような気がして、浩太は手を合わせて平尾に侘びた。 「え?」 浩太は驚いて目を開ける。 そして……
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