岡波地区

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ゾンビ化した島民はもうすぐそこまで迫っている。 「助けてくれ! 助けてくれよ!」 綾も加勢に加わったけど、まったく開かない。 もう限界だった。 目の前にゾンビ化した島民の大群。おそらく百人はいるのではないだろうか? もうすぐそこ…… ――間に合わない! 健太郎は綾の身体に抱きつくと、そのまま浩太から離れる。 「おい! 健太郎!」 浩太が悲痛な声を上げるのと、先頭の島民が浩太に覆いかぶさるのがほとんど同時だった。 「うわぁああああああ! 助けてくれぇえええええええええ」 浩太が叫ぶ。 「浩太!」 「浩太!」 綾と健太郎が浩太に向かって叫んだけれど、どうすることも出来ない。 さらに次々と浩太の上に覆いかぶさる者。 浩太を通り過ぎて健太郎に向かってくる者たち。 「逃げよう」 健太郎に促がされて、綾は走り出した。
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