呼ぶ声

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早紀が先頭で登り始めたので、健太郎と綾もすぐに意図を理解して登り始める。 どこに行っても助からないかもしれない。それでも立ち止まれないのだ。 運動靴の綾と健太郎とは違い、早紀が履いているのはパンプスだから、正直キツイ。 「きゃぁあああ」 少し登ったところで早紀は足を滑らせて、地面まで落ちてしまった。 「ママ!」 「オバサン!」 健太郎と綾がすぐに下りて来て早紀を抱きかかえる。 早紀は足を挫いていた。 振り向けばゾンビ化した島民の群れはもうすぐそこまで来ている。 ダメだ……。助からない。 早紀は腹を括った。
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