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「とてつもない力だ。……それほどの力があるのなら、僕を、僕の世界へ送ることも出来るんじゃないかな?」
「それが出来るなら、とっくにあなたに教えてるわよ。
古の神聖魔法に関しては、あたしもかなり勉強したけど、異世界へ人間を送る魔法は皆無よ。
残念だけど」
「……分かった。─―あの銀色の塔群は、とんでもない高さだね」
「ええ」
「何に使ってるのかな?」
「分からないけど。魔法動力炉や何らかの兵器の可能性が、考えられるわ」
「兵器だったら、とても恐ろしい威力を持ってそうだ」
「あの巨大さだものね」
「兵器でないことを、祈るよ」
「そうね」
2人は船着き場に到着し、小舟を係留した。
太陽は水平線に姿を隠しつつあり、その上方に、とても美しい夕焼け空が果てしなく続いている。
「モンスターがいるかもしれない。気を付けて!」
ヴァインが、鋭い眼光を周囲に投げかけながら言った。
「了解」
ヴァイン達の前方には砂地が広がっており、その先は鬱蒼(うっそう)とした森である。
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