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手を伸ばし、慈しむように我が子を抱く竜、それを三人は微笑みながら見つめる。エリウは視線を固定したままクレストに話しかけた。
「あの竜、マグルって名前なんだが、俺達が∞ランクだって知っても態度を変えなかったぞ」
それを聞いてクレストは少し驚き、エリウの顔を見ながら笑顔で言う。
「そんな奴久しぶりだな」
三人は笑顔になり笑い合う。そこでようやくマグルがこちらに意識を向け、口を開く。
「この子を助けてくれてありがとう、この恩は決して忘れん」
そう言って翼を広げ飛び立とうとするマグル。
「ちょっと待ってくれ」
クレストはマグルを呼び止め、異空間を開き、何かを取り出す。マグルは何事かと羽ばたくのを止め、クレストを見る。
「これを渡しておく、その首飾りには転移を使えるように魔法陣が刻んであるし、何かの時には役立つ能力もある。それにわざわざ飛ば無くても俺が転移で送ろう」
そう言って二つの首飾りを渡すクレスト。マグルは自身と子竜に首飾りを付けた。
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