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三日月が溶けた泉の辺で
君がひっそりと
雫を落とすなら
その一粒を
どうか
僕に飲ませて下さい
潤んだ目元に口付けて
玉の純水を飲ませて下さい
するりと流れるその水は
この焼け付く喉の渇きを
癒してくれるでしょう
愛しい君に流れる
一番綺麗な液体は
どんな甘い味がするのだろうか
ほんの少しだけでいい
取り入れたいのです
血液に混ぜて
身体の隅々まで
行き渡らせて
ほんの少しでも
君と一つになれるなら
夜風になびく絹の髪は
まるで星を絡めたように煌めく
また一つ
雫が三日月を歪めて溶かした
次の一粒は
どうか
僕に下さい
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