存在と恐怖

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自分は 自分の中にだけ 存在していればいい 自分の内側の世界に 浸っているだけでいい 外側に存在するのは 怖い 怖い 怖い 時間が流れるのが怖い 明日が来ることが怖い 自分が「存在する」こと自体が怖い いつかは消えるのが怖い 誰かの意識のなかに 自分が存在するのも怖い 長い夢から醒めたように 理由もなく怖い 目を開けたくない 世界を遮断したい 自分の意識の中だけに 浸っていたい だって此処は、 「私が主人公の物語」じゃない 一つの巨大な「存在」という世界 だから今日も 世界は偽りの戯曲 生きるは幻想と信じ 真っ暗な恐怖を 無意識にでも 押さえ込む
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