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「もの足りん!もう1度だ!」
「待て!お前の1撃で首と頭が瀕死の状況だ!なにより、あんな大技をまともにくらってしまった事が精神的にダメージだ!」
そこにプライドがあったのか?あっさり大技をくらったショックがデカい。
「情けない!」
「情けなくて結構だ!プロレス技で一本取られても痛くも痒くもない!……いや、痛いけど」
「そこまで言うか……なら、空手で一本取ったら言う事を聞いてもらうからな」
「何でも聞いてやろうじゃねえか!」
安い挑発だと気付くには、フランケンシュタイナーのダメージで正常に機能していない俺の頭では不可能だった。
「あのバカ……頭を強打してるって事は……」
呆れた表情でいる翔馬は、この組手の結果が見えていた。
挑発に乗り立ち上がった瞬間、目眩のように視界が斜めに揺れる。
その隙を神楽が逃すはず無い!綺麗な弧を描いたハイキックが俺の頭を撃ち抜いた。
「ふん!これで一本だな!」
「はぁ……頭にダメージ受けてんだから三半規管が正常に機能する訳ないだろうが」
結果の見えていた出来レースだったらしい。
「そうだな……よし!今日の帰りはデートだ!返事はどうした!?」
「………………」
「お姉様?このクズ虫、ピクピクしながら白目を向いていますわよ。気持ち悪い」
これがコーチになって初の気絶だった。
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