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練習も終わり、約束通りデートと言う名のお買い物へ出かける事になっていた。
と言っても、時間も遅いし互いに制服姿だ。その辺の店を見る程度しか時間は残されていない。
「よし!下着を買いに行くぞ!」
「1人で行け!あと、宣言しないでいい!」
明らかな挑発をしている神楽の言葉に、フランケンシュタイナーの後遺症のせいじゃなく頭が痛くなる。
「女1人もエスコート出来ないとは……使えんチェリ男だな」
「言いたい放題だねキミは……」
事ある毎にドSな言葉を投げ掛けてくる女帝だが、どことなく足取りが軽やかに見える。
それなりに楽しみにしてくれているなら、多少の言葉攻めには我慢しよう。
「この辺にペットショップはないのか?」
「何だ?犬か猫でも見たいのか?」
「いや、貴様の首輪を買うつもり」
「とうとうペット扱いか!?」
我慢にも限度がある!
こめかみに血管を浮かばせながら、必死に我慢する俺など視界にも入れず、神楽は右へ左へ店のショーウィンドを覗いている。
その横顔は笑顔だった。
いつものような凛々しい表情でなく、心許したように自然と浮かび上がっている笑顔を見ると、こめかみにまで上がった血液が下がっていくようだった。
「おっ、こんな所に大人のオモチャ屋さんが。入らないか?」
「1人で入れよ」
一気に低血圧まで下がっていた。
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