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「まあ、ラブホは置いといて……」
「いや、投げ捨てろよ!」
そんな俺のツッコミは耳に入らない。
「こうなっては仕方ない。3人で一緒に回るか」
妥協案を出してきた神楽に、穂香は今まで火花を散らしていた事を忘れたように満面の笑みを浮かべていた。
「待て!」から解放された子犬のように。
「じゃあ、どこに行く?神楽ちゃんどこか行きたい所は?」
「下着屋!」
「「却下!」」
俺が却下するのは当然だが、穂香まで声を合わせて却下してきた。
「いや、別にお前は女だからいいだろう?」
「女だからこそ……だからこそ現実を見せられるのが嫌なのー!」
下着屋さんには乳当てしかないのだろうか?ちっぱいの横綱とも言える穂香を不憫に思いながらも、同情には至らない。
「現実から目を反らすなよ」
「きゃぁぁっ!何、その上から目線!琢磨には女の気持ちなんて分からないんだから!」
「確かに女の気持ちは分からないな貴様は」
「そんな事ないだろう」
否定を言葉にする俺に、2人は冷ややかな視線を浴びせてきた。
「ねえ、神楽ちゃん。今度、私でも使えそうな空手技教えて」
「そんな事をしないでも、穿いている下着を頭から被せれば、即死確実だろ」
「そんな死に方は嫌だ!」
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