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「俺はどうするんだよ」
「隣に有希がいるだろ!有希から見せてもらえよ!」
そう言われた翔馬は、隣の席に座るショートカットで少し癖っ毛のある少女の顔を見た。
凄く嫌そうな顔で。
それに気付いた少女は翔馬の方を向き、しなやかに指を動かしながら招いていた。
「かまーん、ぼーい」
翔馬は瞬時に反対側の女の子に教科書を見せてもらうように頼んでいた。
「すまない。教科書を見せてくれないか?」
「えっ?い、いいけど藤井さんは?」
「うわーっ!女の勝負に負けたーっ!」
藤井 有希(ふじい ゆき)は頭を抱えて悶絶していた。
「お前の教科書がまともな訳無いだろ!見せて見ろ!」
「いやねー翔馬くん。こんな所で見せろだなんて」
「……見せろ!」
クールな翔馬が冷酷な声で命令する。
「はい……」
逆らう事は出来なかったらしい。
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