前略

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予想通り落書きだらけの教科書に翔馬の表情が歪む。 まあ、教科書の落書き自体は誰にでもあるだろう。 そして、定番のごとく右隅にパラパラ漫画が書かれている。 翔馬は最初のページからリズムよくパラパラ漫画を見始めた。 「………………っ!」 教科書の最後のページまで見終わった翔馬は、おもむろに教科書を床に叩きつける。 「パラパラ漫画でBL書くんじゃねぇよ!」 「…………えへっ」 有希は完全な腐女子だった。 いや、完全なる変態だ。 「無理だ琢磨!お前の為に俺が犠牲になるのは出来ん!」 「な、なんだと!?男の友情はどこへいったんだ!?」 「男の友情」のフレーズを聞いた有希の目が、まるで闇夜の猫のようにきらーんと光る。 「よっしゃー!男の友情キターーっ!これぞLOVE!」 某プロレスラー?某モノマネ芸人のようにポーズを決める。 「「やかましい!変態!」」 友情のハモりだった。
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