年末の過ごし方《通常》

2/4
前へ
/17ページ
次へ
「……暇過ぎる」 コタツに膝を入れながら、少年は呟いた。 冬休みで睡眠ばかりとっているためか、少年の顔はパンパンにむくんでいる。 少し色の剥げた黒縁の眼鏡、額にはうっすらと青春の証のニキビが…… 少年の名前は、指野(ユビノ)ジュンといった。 ジュンは今年の頭から、E☆エブリスタという携帯小説サイトに会員登録していた。 かといって、まともな小説を書くわけでもなく、「新WLN」というサークルにのめり込んでいた。 大晦日である今日、サークルの中でいつも優しくしてるカンナという女性クリエーターが、サークルの雑談に、 「お正月短編を書きましょう」 とのコメントが…
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加